📚アイデア
テクノロジー関係の役立ちそうなリンクを貼っておきます。順次更新予定
こういう記事を見るときには、ただ文字・情報を追うのじゃなくて 、ものすごく知恵を振り絞って全体の連関の見取り図を自分で作りながらやらないと、多分無益になる。という戒めを自戒として掲げておきます。
GENERAL TRENDS:
2013年に発表されてから、何回も何回も引用されているので茶の間でお馴染みの詳細な予測。700の職業の趨勢を予想して50%が近く10-20年以内に消失するとしたこのオックスフォードの研究者の論文はかなり参考になるはず。どっかに翻訳が落ちてるかも知んない。
日本語記事。正直見るのは時間の無駄だと思うけど、一応載せときます。
- https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
- http://www.mckinsey.com/business-functions/digital-mckinsey/our-insights/disruptive-technologies
マッキンゼーの研究機関が今後のテクノロジーの12の破壊的トレンドを予測。このページから長いレポートがダウンロードできる
- http://www.mckinsey.com/global-themes/employment-and-growth/technology-jobs-and-the-future-of-work
- http://www.gartner.com/newsroom/id/3482617
僕たちがこれからお世話になるだろうテクノロジー情勢の調査会社ガートナーが、来年のテクノロジートレンド10を予測
http://www.mckinsey.com/industries/public-sector/our-insights/the-great-decoupling
ロバートシラーのインタビュー。保険制度を構築しないととんでもないことになるという危機感。"I think it’s the most important problem facing the world today. It’s associated with income inequality, but it may be more than that. Since we tend to define ourselves by our intellectual talents, it’s also a question of personal identity. Who am I? Intellectual talents are being replaced by computers. That’s a frightening thing for most people. It’s an issue with deep philosophical implications." そして、新たな保険産業の樹立が必要と説く。"I think we could have a much more comprehensive system of wage insurance. And we can do it without moral hazard if we manage it right."
http://www.nytimes.com/2016/06/01/business/economy/universal-basic-income-poverty.html
http://knowledge.wharton.upenn.edu/article/the-forces-shaping-the-future-of-work/
A WORLD WITHOUT WORK:
AIがくる!だから落ちこぼれる人間たちを教育してしばき上げてあげないと!じゃなくて、そういうのはエクスポネンシャルテクノロジーの前では政策として無力なんだから、それに今後世界の政府形態はそんな巨大なものになりそうにないから、本当に必要なのは僕ら個人個人の思考様式の変化なのじゃないかという話。
"Ultimately, we need a new, individualized, cultural, approach to the meaning of work and the purpose of life. Otherwise, people will find a solution – human beings always do – but it may not be the one for which we began this technological revolution."
"Traditionally speaking, most of the work going on around us is only considered work, if one gets paid to do it. Are you a parent? Sorry, that’s not work. Are you in paid childcare? Congratulations, that’s work. Are you an open source programmer? Sorry, that’s not work. Are you a paid software engineer? Congratulations, that’s work.
It was the context of all this unpaid work at a conference focused on what happens in an entirely possible future where we all find it extremely difficult as humans to be paid for our work, that I think really brings clarity to the world we have to look forward to."
非常に面白い。
- https://www.washingtonpost.com/posteverything/wp/2015/06/24/the-political-economy-of-a-world-without-work/
- http://www.forbes.com/sites/joshbersin/2016/09/21/the-future-of-work-its-already-here-and-not-as-scary-as-you-think/#25645f695506
- https://techcrunch.com/2016/11/28/welcome-to-the-future-of-work/
長い記事だけど、有益。https://docs.google.com/document/d/1hzQq8pxgxkXD0VyMYU6e8_K--VACLLzUoDLy9voOIiU/edit?usp=sharing
"But it doesn’t necessarily follow from findings like these that a world without work would be filled with malaise. Such visions are based on the downsides of being unemployed in a society built on the concept of employment. In the absence of work, a society designed with other ends in mind could yield strikingly different circumstances for the future of labor and leisure." 現在は社会全体が「仕事」を中心に設計されているが、今後は新しい中心軸を設定するようになるはずという(この視点はすごく大事。はてはて、僕らの社会は何を中心に構成されてると思う? 人々がそれに気づいているかどうかは問題じゃない)。そして「仕事」中心の様を例示する。"Work-free societies are more than just a thought experiment—they’ve existed throughout human history." 歴史的経緯。"While many may consider work a staple of human life, work as it exists today is a relatively new invention in the course of thousands of years of human culture. “We think it’s bad to just sit around with nothing to do,” says Everett." "When people ponder the nature of a world without work, they often transpose present-day assumptions about labor and leisure onto a future where they might no longer apply; if automation does end up rendering a good portion of human labor unnecessary, such a society might exist on completely different terms than societies do today."
そしてそういう世界をほんの少しだけ紹介。学校教育と社会生活が全く変わったものになる可能性。"In general, without work, Gray thinks people would be more likely to pursue their passions, get involved in the arts, and visit friends. Perhaps leisure would cease to be about unwinding after a period of hard work, and would instead become a more colorful, varied thing. “We wouldn’t have to be as self-oriented as we think we have to be now,” he says. “I believe we would become more human.”"というややお花畑な締め。
"Never have we seen such a change in the landscape of the labour market. I believe the potential consequences to be so great that we should regard automation as the most urgent issue facing the country. So why isn’t the government addressing it?" "There is no minister for this new technology. No special cabinet committee has been set up to come up with solutions. There is no royal commission to look at the economic impact robots will have, or the ethical dilemmas they will pose. Where is the new institution that brings together trades unions, employers and government to establish how the time liberated and wealth created by robots is equitably shared?" 口角泡が飛ぶ。労働党ならやってくれると期待。
Hahaha! Wry humour! ハラリは挑発的に"the useless class"という超巨大な階級の出現を言っているわけだけれど、whole brain emulationが完成する社会ではどうなるのかという話ね。まだ遠い未来だ。これは読まなくてもいいかな。そのうち消す。
- https://www.theguardian.com/commentisfree/2016/sep/19/world-without-work-utopia-hell-human-labour-obsolete
- https://www.theguardian.com/commentisfree/2016/oct/09/technological-revolution-sparks-social-unrest
- https://www.theguardian.com/society/2015/nov/29/five-ways-work-will-change-future-of-workplace-ai-cloud-retirement-remote
https://www.theguardian.com/technology/robots
SINGULARLITY
SOFT SKILLS:
(知能っていうとIQのほかにEQってものが茶の間で出てくるようになったのは少し前からのこと。AIが覆っていきにくいのが、共感とか啓発とか説得といったEQの部分なのでそこを伸ばすことは有益で、それに人間的だし意義あることなのだ、という話の延長上。僕にはそこはまだ疑問なのだけれど)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/デザイン思考
ED:
http://www.nytimes.com/2012/01/22/education/edlife/the-21st-century-education.html
大学関係者向けにニュースをまとめたサイト
イノベーションのジレンマのクレイトンクリステンセンがやってる主に教育Xテクノロジーを調査してる研究機関
https://elearningindustry.com/9-things-shape-future-of-education-learning-20-years
http://www.mheducation.com/ (マグロウヒルがデジタル教育の分野に進出。出版業界は動き出してるらしい)
MED:
http://wired.jp/2016/05/05/everything-you-need-to-know-about-the-theranos-saga-so-far-2/
http://www.reuters.com/article/us-facebook-health-idUSKCN0HS09720141003
時代はこの方向に流れていく
AI-Therapy | Overcome Social Anxiety
VR:
Jeremy Bailenson - Google Search:VRを考えるときに頼りになりそうな御仁
VHIL | Virtual Human Interaction Lab
Gamification:
📚テクノロジー
l*1
とりあえずここら辺から入るとよいのではないかなと少しだけ思っているのですけれどという感じを持っていますがどうでしょうか? 向こうで評価の高い5冊だけ。
- 作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2015/07/29
- メディア: 単行本
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この手の本(マシンの台頭・経済影響・対処法を扱ったやつ)で向こうでベストセラーになっている本が三つあって、これはそのうちの一つ。著者はその昔『機械との競争』という本で機械が人間様を粉々にして阿鼻叫喚をあげさせる事態の到来を書き出して、このテーマへの衆目の関心をはじめてさらった。一冊だけ読むのならこれ。
三つのうちの二つ目。一つ目と結構話はかぶっているのだけれど、勉強になります。
三つ目。タイトルからして察しがつく内容。危機感マックスでカーツワイルとかに直撃インタビューをかけるジャーナリストの本。
各紙のBooks of the yearを調べてたら、最新刊2冊が目立ったので、前あげた三冊に加えてアップ。
Humans need not apply, published by Yale U. P.
succinctでcrispyな書き口。Futuristicでeruditeでvisionary、考えるヒントが散りばめられてるので結構思考が進むと思う。250ページしかないからこれはかなりのオススメ。ちょっとトピックが広範になってるから散漫な印象を受けるけど、そこはご愛嬌の範疇。
2冊目。
Only humans need apply
これは「仕事」の問題だけに焦点を当てて、左様な現象をどう捉えればいいのか(そういう哲学的な話はほとんど出てこないのだけど)、人間は何をすればいいのかを色々論じて提案している本。上のほんとは趣向が違って、down to earthですね。スーパーインテリジェンスがどうじゃこうじゃという話からは距離を置いて、一年、三年、五年、長くても十年という「短め」のスパンで具体的に考えているのが特徴。著者の価値観が鮮明に現れているのでまとまりがよく、構成も一本筋が通っているので読みやすい。
それでも、論理の揺らぎみたいなのがチラホラ見える。でもこれは逆に、反面教師というか、議論のたたき台として素晴らしい役を果たしてくれていると思う。このテーマには論理の揺らぎを自覚的に認識させるパワーがあって、僕らって『卒業』のダスティンホフマンみたく、ベルトコンベアーの上で流れてるんだなという啓示を受けることができるのだ。
この五冊は暫定的決定版入門書ということでよろしくね。そのうち全部まとめて書評風エッセイにして載せます。
- おまけ
なんか雑誌の記事を読むぐらいの感覚で読むといい。あんまり期待しすぎたらいけない。
Artificial Intelligence: What Everyone Needs to Know
- 作者: Jerry Kaplan
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (T)
- 発売日: 2016/10/03
- メディア: ペーパーバック
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この間紹介した『人間さまお断り』の著者のジェリーカプランの新著。彼はスタンフォードでAIが社会に与える影響とか、AIの倫理学なんかを教えている、シリアルアントレプレナーの博士だ。前掲書では、そのサクサクとしてこぎれよい語り口と構成、問題提起だけでなく自分なりの回答も提示しようとする姿勢、その専門家・実務家としてのフューチャリスティックで透視的なビジョンに非常に好感を覚えたので是非是非とオススメしたのだけれど、ほんとつい最近この本がOUPの入門シリーズとして出た。パラパラとみた感じでは、確かにこの種の非常にコンパクトにまとまって、技術的すぎず、均衡した視点でいろんな問題点を網羅したAIの入門書というのは今まで存在しなかったので、その点でこれは非常に有益な導入本になりそう。この会の基本書として指定してみたいなと思う。全部で150ページもないので、新書2冊分ぐらいの分量かな。
内容は、こんなところ
一章:AIの定義(インテリジェンスってなんですかという点に合意はない。そのうえ人間を基準にしてAI(「人工の知能」って名前がよろしくない)を考えるのはいかがなものか)
二章:AIの思想史・開発史
三章:AIの最先端動向(ロボティクス、コンピュータビジョン、発話認識、自然言語処理など)
四章:AIの哲学(コンピュータが「考える」・「感じる」とはよく使われる言葉だけどどういうことか。自由意志や意識についてはどうか)
五章:AIと法律(その登場により法システムはどのように激変するのか。法律家はどうなるのか。AIの法人格や「所有者」との関係などの法理論構築はどうなるのか)
六章:AIの労働への影響(労働市場や労働への通念はどう変わるのか。どういう職が絶滅するのか)
七章:AIと格差(これは前掲書でカプランが労働問題と合わせて近未来の最重要課題となるとして取り上げていたのだけれど、多分長期的にはマルクスの共産党宣言よりもごつい未来がやってくると思う。資本家と労働者の対立というのよりも上をいく、資本vs.人類みたいな図式になるのが結構先の未来図)
八章:AIの未来、それが変えるもの(ここでは、AIの進歩は加速するのか、「シンギュラリティ」というテレパシーばりに胡散臭そうな概念は実際何を意味しているのか、シンギュラリティはいつ起こりそうなのか、ボストロムがいってるようなスーパインテリジェンスの暴走という危険はどう評価するべきか、AIと人間の好きな擬人化という思考癖はどういう関係にあるのか、世代間で恐ろしいほど価値観が変わってしまうのは今日ひしひしと感じられるけどAIを未来の世代はどういうものと捉えるのか、AIにより人間の自己理解(表象)がどう変容するか、てなことが論じられる)
といった感じですね。持っていて損はないと思う。
Prafaceを抜粋。
*2
さて、Vivre la (near-)futurisme!!
サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: スティーブケース,加藤万里子
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2016/06/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: アレックロス,依田光江
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2016/04/28
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今読んでるケヴィンケリーの本とテーマは一緒。だけどこの人はヒラリークリントンの補佐官という肩書きから想像されるけど、もっとずっと政策的な関心をもって現状を見ている。そしてもっとずっと具体的だから、そこら辺の事情がある程度勉強になると思う。
限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭
- 作者: ジェレミー・リフキン,柴田裕之
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: 単行本
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Four Futures: Life After Capitalism (Jacobin)
- 作者: Peter Frase
- 出版社/メーカー: Verso
- 発売日: 2016/10/11
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Capitalism is going to end
Peter Frase argues that increasing automation and a growing scarcity of resources, thanks to climate change, will bring it all tumbling down. In Four Futures, Frase imagines how this post-capitalist world might look, deploying the tools of both social science and speculative fiction to explore what communism, rentism, socialism and exterminism might actually entail.
Could the current rise of real-life robocops usher in a world that resembles Ender’s Game? And sure, communism will bring an end to material scarcities and inequalities of wealth—but there’s no guarantee that social hierarchies, governed by an economy of “likes,” wouldn’t rise to take their place. A whirlwind tour through science fiction, social theory and the new technologies already shaping our lives, Four Futures is a balance sheet of the socialisms we may reach if a resurgent Left is successful, and the barbarisms we may be consigned to if those movements fail.
Blockchain Revolution: How Blockchain Technology Will Change Money, Business and the World
- 作者: Don Tapscott,Alex Tapscott
- 出版社/メーカー: Portfolio
- 発売日: 2016/05/10
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- 作者: Geoffrey G. Parker,Marshall W. Van Alstyne,Sangeet Paul Choudary
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2016/03/28
- メディア: ハードカバー
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The Future of the Professions: How Technology Will Transform the Work of Human Experts
- 作者: Richard Susskind,Daniel Susskind
- 出版社/メーカー: OUP Oxford
- 発売日: 2015/10/22
- メディア: Kindle版
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*3 Behold and shiver!
シンギュラリティの議論はこの人が火をつけた。「シンギュラリティ万歳万歳万歳!!」の妖怪。
Superintelligence: Paths, Dangers, Strategies
- 作者: Nick Bostrom
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (T)
- 発売日: 2016/05
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この本は私が読んだ本の中で十指に入るほどの出来栄え。英語はなかなか硬いと思うけれど、得られる利益は労力分に十二分に値する。非常に哲学的で素晴らしい。これぞ哲学ぞ。最高レベルの知性としてこれから非常に頼りになる人になるのは間違いない。
Homo Deus: A Brief History of Tomorrow
- 作者: Yuval Noah Harari
- 出版社/メーカー: Harvill Secker
- 発売日: 2016/09/08
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*4 Phantom menace in presence
フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: イーライ・パリサー,井口耕二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/03/09
- メディア: 文庫
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Alone Together: Why We Expect More from Technology and Less from Each Other
- 作者: Sherry Turkle
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2012/10/02
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Reclaiming Conversation: The Power of Talk in a Digital Age
- 作者: Sherry Turkle
- 出版社/メーカー: Penguin Press
- 発売日: 2015/10/06
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📘思考法
- 「手始めに」本
- 作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/14
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僕らが培いたいのは、いろんな問題に取り組む際に、そこででてくる概念をいっぺんばらばらにして自力で再構築していく力。
例えば僕らは、教育とか国家とか就職、それに失職や投票や教養なんかのことを議論するとき、いろんな概念が「そういうもの」として話の前提に無自覚に取り込またうえで、話を進めていく。「これから私たちには機械との競争が待っている!」っていう時の、私たちって誰のこと? そんな風にカテゴライズできる・してしまう裏にはどんな仕掛けがある? 競争ってなんのことなんだっけ? どんな文脈で語られているんだろう? そして話してるときの彼の顔をよーく見てごらん。どんな感情が見えるかな? それが何を曇らせて、何に力を与えているんだろう? 彼は何に囚われていて、何から自由なんだろう?...... この力(というか態度)はhackingやcrackingっていうのが元来意味していたところとたぶん同じなんだろうーーデータトラフィックのあまりの量に凌駕されず、自分を見失わずに立ち、果てはペガサスの背に乗って疾駆の風を体に感じるみたいなもの。(中二の体臭がするならポニーに変えな。ポニー - Google Search)
そう、僕らはまずは一旦立ち止まって、あえて概念を脳内の雑然とした作業机の上にバラしてみる必要がある。あんまり上手くはバラせないかもしれない。脳解剖みたく、実物に自分の手で向き合ってみると色わけされていないのがわかって仰天したり、全部が繋がってるように見えてどういう部分が独立に扱えるのかわからなかったりで、モヤモヤが溜まることになると思う。全部がネチョネチョにくっついちゃってるのがわかって、助けてドラへもん!状態になると思う。でもやってみる。自分の手でゴニョゴニョと対象と取っ組み合ながらやってみると、いろんなことを自分がわかってなかったとわかる。そうしてるうちに、けれどいろんなことが前とは全然違うスケールで明らかになってくる。いつもの雑踏が独自の鼓動を打っているのが見えるようになる。文脈がミルフィーユみたく重層的になっているのが見える。バラバラにしてみたら、すでに作業机に乗っかっている物ととっつき合わせて、部品の意味を探ってみよう。新しい文脈の中に置き直してみよう。作業机があんまり小さくて参照物がそんなに見つからなかったり、広すぎていろんなものがあるから途方にくれちゃったりして、上手く意味づけできてるか自信が持てないこともある。(そうそう、ここではあんまりウンウンうならずに、ユーリカモーメントってを大切にしましょう。楽しく遊びましょう。)でもやってみる。あえて雑然さの中でやってみる。たぶん、僕も含めてほとんどの人はそんなことに慣れてなくて、考えの至らなさを発見することになって、途方にくれる。でもこれからは「永遠の昨日」は目に見えてプレゼンスを失っていく。既知のものが未知になり、常識は蒙昧を指すようになる。概念を支えている骨組みの部分に敏感であれとの圧力はこれまではそんな強くなかった。でも、もう骨組みがわかってなければ概念が使えなくなっていく。とくにこれからは人類最大の問題が戸口で控えてる。これは旧来の無自覚の枠組みではもう向き合えないんだ。そんななか、クリアに物を見たいじゃない。意識的に「理解」したいじゃない。グルーブなビートにチューニングしたいじゃない。ゼロベースでやろう。雑然な事物に意味を与えながら、文脈の複雑さに敏感になりながら、複雑な「マップ」を作ろう。そんでその果実はすごく実り多いものだと後になってわかるんだ。
手始めにとりあえずこの本を読んでみよう。思考のノウハウの本だけれど、うーん、内容的にはヤバイ経済学の延長に思考法開陳の要素がプラスされたという感じ。まとまりがいいわけじゃあない。それでも、大笑いしながら読めて、ストーリー仕立てになってるから、身体感覚として実際にゼロベースで思考するっていうのがどういうことなのかがよくわかるような作りになっているので、その点とっかかりやすくておすすめ。薄い本だから、通学中にペロンチョとやってみてよ。
ps
こういう姿勢は組織の文化として根付かせていくんだ。制度institutionとしての文化の力はすごいのだ(ダロンアセモグル『なぜ国家は衰退するのか』)
知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 文庫
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何もそういう本を見たことがない人にはこれがとっつきやすいらしい。
- プロセス化
※注意:
ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
- 作者: 高田貴久
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: 単行本
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- 世界の見方
世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方
- 作者: ドネラ・H・メドウズ,Donella H. Meadows,小田理一郎,枝廣淳子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2015/01/24
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- 思考を思考する
シャーロック・ホームズの思考術 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マリア・コニコヴァ,日暮雅通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/01/08
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ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
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超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション)
- 作者: フィリップ・E・テトロック,ダン・ガードナー,土方奈美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/10/21
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📕SF!!
SFで想像力を爆発させちゃヲ☆+💥=超新星。SF好きと言えば、ポールクルーグマン少年。彼なんかが選んでる本や
📖教育ってなあに?
教育とはあまりにも茫漠な言葉。
1)教育の対象:ほとんど意識的に語られない「教育」の客体はこの場合何を指すのかに敏感になり、どのカテゴリーが客体として論じられているのかを理解する。
2)教育をささえる下部構造:人間の埋め込まれている経済を理解し、生存機械として
Our Kids: The American Dream in Crisis
- 作者: Robert D. Putnam
- 出版社/メーカー: Simon & Schuster
- 発売日: 2016/03/29
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