📕ネタ
*「人生を楽しくやりましょう!」というのは与謝野晶子が柔肌の〜でいっていた
いやいや、 すごく真面目な本。そしてこれは「教養」論。情報って何だろうっていう視点を持ったやつね。
- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
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楽しむってのがどんなことなのかが体感で分かる本といえばこれ。ファインマンさんっていうのは、アメリカでアインシュタインの次ぐらいに有名な、ノーベル賞受賞してる物理学者だ。これは必読よほんとに。知的好奇心に満ち溢れユーモアにも横溢した人間というのが一体どれぐらい魅力的なのかがわかって、あゝこんな人に科学をおせえてもらへてたらなあ、なんてありえた過去を夢想しながら、この世におられぬ故人を思ってしみじみとした気分になりますよ。もう大笑いしながら読めるからゴロ寝しながらでも。特に「電気は火ですか?」の章の学際会議は最高。こんなことを真面目に言う人がいるんですよ、ほんとに。でもまあしょうがないことなんだけど。彼らも真剣にやってるんだもの。
Finally, when we were discussing the question of whether we had developed a way of having a dialogue among people of different disciplines--our second basic "problem"--I said that I noticed something interesting. Each of us talked about what we thought the "ethics of equality" was, from our own point of view, without paying any attention to the other guy's point of view. [...]
"So, in my opinion," I said, "we had no dialogue at all. Instead, we had nothing but chaos!"
Of course I was attacked, from all around. "Don't you think that order can come from chaos?"
"Uh, well, as a general principle, or... I didn't understand what to do with a question like "Can order come from chaos?" Yes, no, what of it?
There were a lot of fools at that conference--pompous fools--and pompous fools drive me up the wall. Ordinary fools are all right; you can talk to them, and try to help them out. But pompous fools--guys who are fools and are covering it all over and impressing people as to how wonderful they are with all this hocus pocus--THAT, I CANNOT STAND! An ordinary fool isn’t a faker; an honest fool is all right. But a dishonest fool is terrible! And that’s what I got at the conference, a bunch of pompous fools, and I got very upset. I’m not going to get upset like that again, so I won’t participate in interdisciplinary conferences any more.
一年生の時にこのシニカルさに接して、以降起こりえた視野狭窄がすこしは矯正されたはずだと思います。
松岡正剛って知ってるかな? この前うちの先生が言ってたインドの僧侶服を着てそばに女の子を侍らせていた人のことだけど、この人はすごい人だ。僕は昔彼に私淑していた時期があったけど、その沈着さ、それにその広陵な知的世界にどうも心底魅せられたのだ。いっぺん検索して調べてみてよ。それでこの本で(そんなすごい本じゃない。ただのインタビュー本だ。そんでインタビュー本はちょっと嫌い)彼は、本っていうのは服とかお箸とかご飯とか、なんかそういうものと同列に並べられるべきもので、みんな同じ情報ですやろ、「本」やゆうカテゴリー化は脱構築せないかへんや思いますさかい、なんてことを言っている。これを聞いたとき雷に打たれた気持ちになって、しばらく部屋の窓からじっと外を眺めていたのを覚えている。たぶんこんなことをこの人ほど凄まじい読書家から言われたから、僕のbookwormというアイデンティティが解体されて何か一段だけでも高いものに昇華されたのだとおもう。教訓はこうーー全ての情報は等価である。
この人を知ってからモノマネをし始めるまでにそれほど時間はかからなかった。シェイクスピア、アンドレアドゥオーキン、ハルバースタム、ジェーンジェイコブス、スーラ、ラシュディ、ゴーゴリ、クルーグマン、カールシュミット、ウォルツァー、マイケルガザニガ、ジョンメイナードスミス、ミンツバーグ、ピランデッロ、マンデルブロ、ポールコリアー、デネット、ロンボルグ、アンドルーゴードン、トロツキー、ユング、フッサール、ソーカル、ナインインチネイルズ、岡崎京子、今和次郎、ワーグナー、ピンチョン、スタニスワフレム、ありとあらゆるものが出てきた。僕もみんな知りたかった。彼の見ているもの聞いているものが知りたかった。彼の見ている世界が見たかった。そして、願わくはその先が見たかった。アルヤンコヴィックをかたっぱしから聞いた。ウォンカーウェイだって手当たり次第に見た。荒俣宏も、アレクサンドルデュマも、ウィリアムマンチェスターだって読んだ。(日出処の天子も読み通したけどちょっとちゃうかった。)京極夏彦には手を出してないけれど(けどブックオフで見かけるたびにカゴに放り込んだ)、プログラミングには疎いけれど(けれど努力はしてみた)、山本義隆の本は拒絶反応が出ちゃうけれど(なげえよ)、それでも彼の薦めるものを求めていつもウキウキして画面を探った。オペラにも出かけるようになった。クラシックも多分彼の影響で聞くようになった。文章も真似した。話し方も少し真似してみた。彼の世界は、僕とは遠く隔たっているはずなのに、なぜかとても近いものを感じた。2年生の秋だった。彼から皮肉っていうのはどういうものか学んだ。泣くっていうのがどういうことか学んだ。エロビデオを見るのはどういうことなのか学んだ。たぶん、僕をちょっと高いところへ押し上げた。
ただ、何より重要だったのは、彼がとても頭が良いインテリで、ロマンチックなアイロニストで、ラショナルアニマルで、冷静な世渡り上手の成功者で、ペダンチックなスノッブで、凡庸なパンピーだったこと。僕に彼の何がわかり、何がわからないのかを考えた。ある人間の何がわかって、何がわからないのか考えた。人間について大事なことが明らかになった。こういう人間万華鏡に出会えたのは、とてもとてもかけがえのないことだった。「ロールモデル」としてこれほど自分に影響を与えた人はいない。でも、今彼をどこに位置付けたらいいかと聞かれて即答できない。そうやって年をとっていくんだ。
*こういう「程度の低い」笑いも大事だそうで
これ最高。爆笑させてもらいました。
100 Tricks to Appear Smart In Meetings
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あんまり含蓄はない、爆笑用のネタ集